映画と英語を交互に書くブログ。

映画の感想や、覚えた英語を書いたりするブログ。ゆるーくやります。

『永い言い訳』観てきた。

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概要 

女性映画監督、そして小説家でもある西川美和さんの劇場作品最新作。

個人的に、西川美和さんの『ゆれる』は2000年代邦画でもTOP5に入るくらい好きなので、楽しみにして観に行ってきました。

 

以下、あらすじ。

人気作家の津村啓こと衣笠幸夫は、突然のバス事故により、長年連れ添った妻を失うが、妻の間にはすでに愛情と呼べるようなものは存在せず、妻を亡くして悲しみにくれる夫を演じることしかできなかった。そんなある時、幸夫は同じ事故で亡くなった妻の親友の遺族と出会う。

 

点数

☆ 3.9 (満点 : 5.0) 

 

ヨカッタ

まず、映画として演出として物語として、完成度の高い作品でした。原作となった小説も西川美和さんの手で書かれていて、直木賞候補にもなっています。

 

東日本大震災を経験した日本人だからこそ、生まれてきた、そして受け止められる作品でした。

わかりやすい物語性とか、通りのいい決着とか、カタルシスとかを拒否していて・・・

なんというか、誰も彼もが事件や事故や災害に対して、ぴったり当てはまるような感情を抱けるわけじゃなくて、この5年間、外部から推し決めのストーリーを当てはめられる違和感や居心地の悪さを感じ続けた人っていうのは一定数いるはずで、それに対する1つのこたえなんじゃないかと感じました。

 

折り合いの付け用もない、言語化しようもない、出来事や感情なんて、腐る程自分の中にも世の中にもあるわけで、でも、ある程度成長してしまった大人はそういう「不確かな状態」をヨシとしないんですよね。

 

そういう意味で、本木雅弘さんも竹原ピストルさんも、「大人になりきってない大人」をとても上手に演じられていたと思います。

もっくんは、もう役柄にピッタリで素晴らしくて。軽薄で適度に打算的でチャーミング。

ピストルさんも、マイルドヤンキー的というか、野蛮や粗暴、という言葉では表せない、ある意味かなり繊細な役柄を自然に演じられてて新鮮でした。

 

最後に 

2016年の今年は、『シンゴジラ』といい『君の名は。』といい、震災の発生から数年経ち、作品のテーマとしてそれぞれに消化・分解してきた映画作品が多い印象です。

永い言い訳』は、これまで様々なメディアで一方通行的に流されてきた、わかりやすく共感しやすい"ストーリー"へのアンチテーゼになる作品として、ぜひ必見だと思います。